中学校で英文法を学習した人なら誰しもが三単現の-sについては知っているでしょう。
しかし、その存在意義について語られることはほとんどありません。
今回は、三単現の-sの起源と存在意義について書いていきます。
誰にも解説が理解できるように、そもそも三単現の-sとは何かについて復習しておきたいと思います。
一人称=自分、もしくは自分を含む複数のこと→「I」「we」
二人称=話し相手一人、もしくは複数→「you」(youは一語であなたとあなたたちをあらわすことができます。)
三人称=自分や話し相手以外の人→「he,she,they,it」などがあり、これらは単数と複数にわけることが可能です。「he,she,it」は「彼、彼女、それ」と単数です。「they」は「それら、彼ら」と複数を表します。
三人称かつ単数の語を主語にとるときは動詞の語尾に-sを付加しなければならないのです。
例) He loves you. 彼はあなたのことを愛している。
話は本題に戻り、ではなぜこのように三単現の-sを付加しなければいけないのでしょうか。
この問題を解決するには、歴史に沿って英文法がどのように変化してきているのかを知る必要があります。
大学などで日本語以外の外国語としての言語を他に専攻している人は気づいているかもしれないが、英語以外のドイツ語などの言語には主語によって動詞の語尾が激しく変化してきます。英語はいまでこそ動詞の語尾が落ち着いていますが、歴史上では英語も例外とは言えません。下の表をご覧ください。
主語 14世紀 16世紀 現代
I singe sing sing
You singest singest sing
He singeth sings sings
We singe(n) sing sing
昔の英語はこのように主語によって四種類もの動詞の語尾変化に対応してきたのです。
三単現に-sがつくのは過去の英文法の名残なのです。実は三単現の-sは文法上こうだから必要という存在意義は存在しないのです。ただ、こうして過去の英語使用者が使っていた文法を残すことで現代の英語使用者に昔の英語はもっと難しかったんだぞと訴えているのかもしれませんね。
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